実際の団体、人物とは一切関係ございませんを

お久しぶりです。あなたと別れてからもう2年近く経ちますね。体の方はいかがですか?毎日楽しく過ごしていますか?突然こんな手紙を受け取って困惑されているかと思いますがこれが最初で最期ですのでどうかお許しください。
今、僕はあまり幸せとは言えない毎日を過ごしています。あれからの僕のお話を聞いてください。

君と付き合っていた頃の僕はとても幸せでした。僕の幸せが崩れだしたのは君と別れて少し経ってからです。所属していたサークルにあまり馴染めなくなっていったのです。もともとあまり経験のないまま入ってしまったサークルでしたから周りとのレベルの差は入部当初からかなりありました。それに加えてチーフも任されるようになりました。しかし、人をまとめた経験などない私は人の使い方がわからず、仕事を全て背負い、しまいには全く仕事ができなくなってしまいました。こうなってしまったのは去年の今頃です。次第に人を恐れるようになり、サークルはもちろん学校に行くこともなくなりました。今は休学をしていますが将来の希望は完全に失われています。

あなたに手紙をだしたのは僕がまだあなたのことが好きだからです。僕の住む県に海はありませんがテレビなんかで海を見るとあなたとの日々を思い出します。あなたが僕のことをなんとも思っていないのは知っています。ですので一種の嫌がらせとでも思ってください。今までありがとう。


そこまで書くと青年はペンを置いた。マンションの屋上に出て夜風を浴びながら遠くを見つめる「人類にとっては小さな一歩だが1人の人間にとっては大きな一歩だ。」彼はそう呟くと一歩何もない夜空へと踏み出す。最期に彼の目に映ったのは間違いなくあの日の海だった。